1 授業の目的と概要

災害前や災害時にとるべき行動、災害後の生活の変化を学ぶ。また、避難生活において健康を維持するために役立つ知識・技術を習得する。さらに、リーダー的存在として生活の復興をめざした活躍ができるよう、コミュニティや地域づくりの方法を学ぶ。
応急措置等の災害後の活動を想起できるような現場演習も交える。

2 学習の到達目標

  1. 災害によって、日常生活にどのようなことが起きるのか、時系列を追って説明できるようになる。
  2. 災害時に住民の命と健康を守るために必要な知識を、体験も交えながら、身につける。
  3. 災害後に、住民の生活を再構築するために適切な方策を考察できるようになる。

3 授業の内容・方法と進度予定

[1] どこにどうやって避難すれば助かるのか-防災と減災
神山 眞 東北工業大学名誉教授
「自らの命は自ら救う」を基本に防災・減災の方法を伝える。事象予測とその情報が重要であること、そのための情報獲得法について地震予知、ハザードマップ、緊急地震速報を例に解説する。
[2] 避難生活〈非日常的な生活〉を乗り切るには-健康と予防
岸川 幸生 東北薬科大学薬学部准教授
東日本大震災時の石巻地区の避難生活の実例を基に、避難生活における保健上の問題点を抽出し、効率的な支援体制を考える。
[3] 子どもの心の復興過程
足立 智昭 宮城学院女子大学学芸学部教授
被災地で生じている子どもの心身の問題を発達生態学的視点から解説し、子どもとその家族の支援のあり方について検討する。
[4] 災害時のボランティアの心構え
橋本 実 仙台大学体育学部教授
災害時のボランティアの心構えを出発点に、被災者の生活構築に関して支援される側とする側の類型を整理する。さらに避難生活や仮設住宅における健康維持を中心に解説し、対応策について学ぶ。
[5] いのちを救う
大河原 雄一 東北薬科大学保健管理センター教授
災害時には瞬時に大量の負傷者や発病者が発生する。その様な状況下での適切な対処法、特に医療者と非医療者の役割、そして連携のあり方について具体的な事例をもとに考察する。
[6] 傷病者を発見した時に何ができるのか-応急手当と搬送
竹本 由香里 南相馬市立総合病院看護師
傷病者を発見した時、その場で的確な処置を行うことができるかによって、その後の経過が変化する。いざという時にあわてず対応するための、基本的な応急手当と搬送方法を学ぶ。
[7] 心の復興過程-自身の喪失体験と心理学的知見を通じて
平野 幹雄 東北文化学園大学医療福祉学部准教授
震災後の心の復興過程について、自身の喪失体験を通じて事例的に紹介するとともに、それらが意味するところについて心理学的な考察を加える。
[8] [9] [10] 演習-応急処置、レクリエーションなど
安齋 由貴子 宮城大学看護学部教授
●外傷者の発見から応急処置、安全区域までの搬送を限られた人材・物品で行う体験を学ぶ。
 桂 晶子 宮城大学看護学部准教授、高橋 和子 宮城大学看護学部教授
●場所や道具を問わず、子どもからお年寄りまで楽しめるレクリエーションゲームやフィットネスゲームを体験的に学ぶ。
 仲野 隆士 仙台大学体育学部教授、 岡田 成弘 仙台大学体育学部講師
●災害によって傷ついた心を抱えながら自己を創りなおしていく上で、芸術が持つ可能性について、臨床美術の基礎的理論やアートプログラムを通して学ぶ。
 大城 泰造 東北福祉大学社会福祉学部准教授、青木 一則 東北福祉大学教育学部准教授
[11] 演習報告会
安齋 由貴子 宮城大学看護学部教授、他
生活の復興をめざした活躍ができるように演習の経験をもとに各演習の課題にそってグループワークとプレゼンテーションを行い、学びを深める。
[12] 避難所(仮設住宅)のリーダーを頼まれたら
宇田川 一夫 東北福祉大学総合福祉学部教授
災害により心理的外傷体験をした人々は、どのような心理的特徴が見られるのか。また、そのような人々に心理的援助を行う場合、どのような点に注意しなくてはならないのか学ぶ。
[13] 災害に対する身の回りの備え・心の備え
桂 晶子 宮城大学看護学部准教授
災害の被害を軽減するためには自助、共助、公助の連携が不可欠であり、なかでも災害直後は、自助と共助が要となる。そこで災害に対する身の回りの備え、心の備え、そして地域の備えについて考える。
[14] 何が必要だったのか -ライフライン
森田 明 宮城大学食産業学部准教授
災害に備えての食の「備蓄」について、東日本大震災以前の実態、震災時の食の様子、そしてその後の社会と備蓄について比較検討を行い、今後の災害と日常の「食」のあり方を考える。
[15] 復興公営住宅移行期における新たなコミュニティづくり
豊田 正利 東北文化学園大学医療福祉学部教授
応急仮設住宅から復興公営住宅への移行に伴う今日的諸課題を整理しながら、被災者を包摂した新たなコミュニティづくりの必要性と方法について考察する。

4 成績評価方法

課題レポート 30%
演習参加と報告 30%
授業への参加度 40%

5 教科書および参考書

なし

6 その他

第1回目の授業は、6月6日(土)
現場演習は、7月12日(日)に行う。その報告会は7月18日(土)に行う。

コーディネーターより

安齋 由貴子 宮城大学 教授