12月12日(土)

復興の経済学米本 清 高崎経済大学地域政策学部准教授

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授業題目:[14] 産業の復興

授業内容:産業連関分析・地域モデルによる分析によって、地域ごとに今後の人口・経済状態変化を予想する方法や、政策の効果を予測する方法を紹介する。

授業の様子:福島県における経済状況に関する授業でした。福島県に関しては県全体として経済状況を見るのではなく、地域ごとに分析することによって正確な分析ができるという内容でした。浜通りの現状の深刻さをデータをとおして改めて感じることができました。

復興の政治学白井 培嗣 東北学院大学法学部講師

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授業題目:[14] 復興の方向と知的エリート:復興理念の政治過程

授業内容:東日本大震災後の復興の形に関しては、優勢な議論以外にも、多様な観点からの多様な言説が存在していた。たとえば、地域全体の移転などよりも、経費の問題はあるものの技術的には十分可能な、より大規模な堤を設置すればよい、といった提案である。多様な主張の背景および適否を検証し、それらが一定の方向に収斂させられてゆく政治過程を分析する。

授業の様子:防潮堤に関する報告が受講生グループよりありました。発表と議論の論点は防潮堤における意思決定のプロセスに、どのようにして市民の意見を取り入れられるかというものでした。今回の東日本大震災における防潮堤の高さ問題に関して、市民と行政の軋轢について疑問を感じている受講生が多くいる様子でした。

復興の社会学吉原 直樹 大妻女子大学社会情報学部教授

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授業題目:[12] ひとつの復興、いくつもの復興

授業内容:原発被災地の復興への見通しは未だ立っていない。帰還と移住の間にあって、多くの被災民は前に進むことができないでいる。メディア含め、社会全体が棄民化をおしすすめているようにみえる。こうした状況を見据えながら、ポスト復興の課題を考えてみる。

授業の様子:福島第一原発事故の影響を現在も受けている大熊町の事例をもとに、新自由主義的な経済的復興と、その一方で事故や原子力に対する不安を払拭できるような復興の両方について説明がありました。震災から時間が経ち、専門家や被災地域外の人々と被災地に住む人々との間で生まれている感覚のずれをなくしていくこと、また専門家同士での見解のずれをできるだけなくすことの必要性を学びました。

復興の社会学麥倉 哲 岩手大学教育学部教授

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授業題目:[13] 災害犠牲者と向き合う-生きた証プロジェクト-

授業内容:岩手県大槌町では、大災害で犠牲となった1284人の記録をいま作成中である。「生きた証プロジェクト」である。故人のことを①忘れないために、②死を弔い・死者と対話し、③遺志や教訓を引き継ごうとしている。授業では、この取り組みが持つ社会学的意味を検討する。

授業の様子:大槌町の「生きた証プロジェクト」を例にとって、「こころの復興」についての説明がありました。震災によって親戚や仲間を亡くした人たちと共に思いを共有することは、その人々の心の支えとなります。震災以降、経済や生活再建面での復興が多く議論されてきましたが、その一方で現在も心の支えを必要としている人や、死と向き合っている人々がいるということを知り、死者という存在が「こころの復興」と深い関係性を持っていることを学びました。