12月5日(土)

復興の社会学加藤 眞義 福島大学行政政策学類教授

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授業題目:[11] 被災と避難と居住地の選択-福島県の事例をもとに-

授業内容:福島では、原発震災の影響が根深く、浜通りを中心に避難生活が継続している。<自力による移住か、早期帰還か>という二択の選択が提示され、移住への制度的支援や長期避難後の帰還にたいする制度対応は不十分なままである。「復興」政策の課題をさぐる。

授業の様子:現在も続く福島県沿岸地域住民の避難生活における課題とそれに対する国や自治体の対応について説明がありました。国が掲げる集中復興期が2016年度に終了予定である一方、福島第一原発の廃炉作業が長期化する見込みとなっています。これを踏まえ、地域や被災者の立場を考慮した復興のあり方を考える必要があると感じました。

復興の政治学白井 培嗣(東北学院大学法学部講師)、井上義比古(東北学院大学教授)

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授業題目:[13] 復興の方向と知的エリート:復興理念の政治過程

授業内容:東日本大震災後の復興の形に関しては、優勢な議論以外にも、多様な観点からの多様な言説が存在していた。たとえば、地域全体の移転などよりも、経費の問題はあるものの技術的には十分可能な、より大規模な堤を設置すればよい、といった提案である。多様な主張の背景および適否を検証し、それらが一定の方向に収斂させられてゆく政治過程を分析する。

授業の様子:福島第一原発事故の被害とそれに伴う除染廃棄物の行方について、受講生グループより実体験を踏まえた報告がありました。日本の地理的条件では処分場建設が困難ですが、処分場決定は避けてとおれない問題であり、国民全体で考えなければならないことを改めて実感しました。また放射性廃棄物の最終処分場が決まらないまま原発を再稼働させることが、私たちの未来にどう影響するのか、とても考えさせられる報告でした。

復興の経済学千葉 昭彦 東北学院大学経済学部教授

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授業題目:[13] 復興事業と建築・土木の経済学

授業内容:復興事業の遅れに関しては、建築・土木業界の構造的な問題が指摘されている。しかし、この業界の構造は復興事業だけではなく、それぞれの地域社会・地域経済の基盤となるインフラの今後の維持・整備にもかかわる問題ともなる。震災から未来を展望するひとつとして、建設・土木業の未来の姿を考える。

授業の様子:現在までの建設業の流れから震災後の復旧・復興期の建築・土木分野の動きについて、地域経済学の視点から具体的な事例をもとに説明がありました。建設業界が元々抱える課題や震災後に生じてきた労働力不足や材料・重機不足といった問題、またそれにより生じる復興事業への影響を理解することができました。建築・土木分野の学生が少なく受講生の多くは建設業に関する知識が少ない中で、それぞれ建設業界がどのような状況にあって今後どのような動きを見せるのかについてわかりやすく学べる授業でした。