11月14日(土)

復興の経済学米本 清 高崎経済大学地域政策学部准教授

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授業題目:[9] 災害の産業・人口への影響分析

授業内容:復興に対する経済学の役割としては、
(1)被害状況の把握
(2)今後の変化(特に政策が行われない場合)の予想
(3)政策効果の予想と提言
などが考えられる。復興にあたってはこれらを月単位のスピードで分析する必要があるが、信頼性が高く詳細なデータを入手することは難しい。被災地の人口・経済状態の把握に関わる手法や、実際に推測した数値等を紹介する。

授業の様子:前半は、震災前と震災後の被災地の産業変化の推移について、人口変化率と絡めた説明がありました。後半は、福島県を県北、県中、県南、相双、いわき、会津の6つの地域に分け、人口の変化や産業関連分析の切り口から、原発事故の影響について学びました。

復興の政治学木下 淑惠、井上義比古 東北学院大学法学部教授

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授業題目:[10] 被災地域自治体の対応:非常時における行政過程

授業内容:(政府とは異なり)全力で献身的に動いている被災地域の自治体、という一般的イメージとは異なる事例も報道には散見される。行政過程に関する調査研究からすれば、献身的に努力するにもかかわらず、あるいはむしろ献身的に努力するからこそ、緊急時に実現すべき目的の遂行が阻害されることは、十分にあり得る。行政過程の作動原理、行政に求められる矛盾する要求などの観点から、自治体の対応を検証する。

授業の様子:仙台市および宮古市、大船渡市、石巻市での震災に対する対応の比較から、地域防災計画における問題点について受講生グループから報告がありました。仙台市のような大都市では対策本部のもとで迅速な対応がとられたが、他の都市では人員不足により住民対応に問題が見られる点が指摘されました。その中で、避難所における女性への対応について問題提起され、どのようにしたら女性の意思が尊重されるか活発な議論が行われました。自治体の対応だけでなく住民が結束し声をあげることの大切さを学んだ授業でした。

復興の社会学木村 敏明 東北大学大学院文学研究科教授

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授業題目:[8] 宗教と心の復興

授業内容:宗教は災害死者の慰霊や生者への心の支えの提供などにより災害復興で重要な役割を果たしうる一方、公的機関との連携などには多くの課題を抱えている。本講義では、具体的な事例によりつつ宗教による復興支援の意義と課題を明らかにする。

授業の様子:被災地における心のケアに宗教者がどのように関わるかについて学ぶ授業でした。授業の前半は、宗教者が被災者の支援活動に入るうえでの問題点について、グループに分かれて相談し、意見を出し合いました。後半は、震災後の宗教者のボランティア活動、臨床宗教師や臨床宗教師の養成プログラムについて説明がありました。宗教は問題を起こしやすい面もあり、宗教があれば問題を解決できるわけでもないが、臨床宗教師養成プログラムは、宗教者の活動の場を広げるだけでなく、これまで活用しなかった資源を、社会の中で活用するシステムになりうる可能性があることを学びました。

復興の社会学金菱 清 東北学院大学教養学部教授

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授業題目:[9] 迷いにある生者と死者のことを大震災の現場から考える

授業内容:幽霊現象や生ける死者としての慰霊碑を通して、追悼でも教訓でもなく、曖昧な喪失における死のあり方を災害から考える。

授業の様子:この授業は「死んだら終わりか?」という問いかけから始まり、科学的な視点、非科学的な視点から意見を述べあいました。その中で遺族が死者と向き合っていく必要性が指摘され、生者の死者への対処について具体例を交えて話が展開されました。東日本大震災では「もし~だったら死を免れたのではないか」という思いから曖昧な喪失を抱えていることが多いということが指摘され、死者に対する向き合い方について特殊性があることを学びました。