10月24日(土)

復興の政治学塩屋 保、井上義比古 東北学院大学法学部教授

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授業題目:[7] 原子力施設事故発生時の対市民対応:緊急事態情報提示の政治過程

授業内容:東日本大震災に伴う原子力発電所の重大な事故に際して、政府による市民に対する情報提供には、大きな問題があったといわれている。この問題点の背景には、電力会社の体質だけではなく、緊急時対応の基本政策のあり方、緊急時対応常設機関のあり方、緊急時対応臨時組織の設置の仕方、各省庁の通常時および緊急時の組織過程、マスメディアの組織過程、(学会を含む)研究機関の組織過程など、多くの要因が存在している。個別の要因を確認するだけではなく、適切な情報提示はどのようなものか、適切な情報提示にはどのような条件が必要かについても検討したい。

授業の様子:古代から現代にかけて、震災への対応はどのように変化していったのかについて受講生グループから報告がありました。過去の震災対応の中で一番良かった例はどれなのか、なぜその対応がよかったのか。また、技術の進歩、時代の変化によって震災対応がどのように変化しているのかについて活発に議論がなされ、それぞれの変化の背景に政治構造が関係していることを議論をとおして学ぶことができました。

復興の経済学伊藤 房雄 東北大学大学院農学研究科教授

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授業題目:[6] 豊かな社会の実現に向けた持続的農林水産業の構築

授業内容:待ったなしの雇用機会の確保と長期間を要する生産基盤の再生、この時間軸のギャップをどのように調整しながら持続的農林水産業の構築(または復興計画に描かれている農林水産業の実現)を図っていくのか、またそこでの行政や関係団体等の果たすべき役割とは何か、解の導出は容易ではないが、復興の過程で避けて通れない課題であり、仙台東部地域を対象に考究する。

授業の様子:「豊かさとは何か」をキーワードにこれからの東北地方、ないしは日本全体の農林水産業のあり方についての授業でした。震災復興の中の東北で農業のあり方を考えることは、地域に根付いた持続的な農業モデルを構築することにつながるということを具体例を交えて学びました。

復興の社会学阿部 晃士 山形大学人文学部准教授

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授業題目:[5] 住民の意識から考える復興の道筋

授業内容:復興の長い道のりを、人びとはどのようにとらえているのだろうか。ここでは、岩手県や岩手県大船渡市の事例をとりあげながら、生活再建やまちづくりに関する意識の実態やその変化について解説し、望ましい復興のありかたを検討する。

授業の様子:はじめに社会調査における「事例研究法」と「統計的方法」という2つの手法について解説がありました。事例研究法は一人一人の事例に注目して個別的・具体的な調査や分析を行うのに対し、統計的方法は集団から集めたデータと個々の事例の相関を分析して一般性の高い情報を見出す手法であり、今回は後者の統計的方法を使った東日本大震災後の調査の紹介を中心に授業が行われました。また、授業の中では実際に自分が被災地で社会調査をする場合はどんな調査を行うか、目的や対象を考えるワークを行いました。被災者の生活や意識を統計的に分析することの意義を学ぶことができた授業となりました。